サムス氏が医学教育を8年間にしてくれていたらと思う話

いま、日本の医学部は卒業まで6年間かかる。


戦後、日本に社会保障制度をもたらしたサムス氏が、日本の医学レベルを高めようと8年制を推奨した事はあまり知られていない。他の学部を卒業した後に、新たに医学部に入り4年間学び、計8年間となる計算だ。


サヌス氏は、18歳で医学部に入る決断するのは好ましくなく、一度他の学問を学び経験を積んで、本当に医学を学びたい気持ちを持った人間を医学部に入れた方が良いと思っていたようだ。

人間として18歳は未熟で、もっと大人になってから医師になるか判断するべきと主張している。



確かに、そういう意味では学士入学制度で大学をいったん出てから、2年次に編入してくる医学生の方が、医学を学ぶ気合いが満ちている印象はある。

なんとなく成績が良くて、親や周囲に言われて医学部にノリで入った人達は、授業や実習に気のりしないように見える。


サヌス氏の理想に近い形で、医師という職業に対して確信を持ってから学士入学制度で入ってくる人間が増えると日本の医療は良くなるのだろうか。

現状では、学士入学制度を用いた入試では、多くの人が22歳で入ってくることは稀で、しばらく社会人経験をつんだ後に30〜40代で入学するという方々が多い印象がある。

そういう場合、年齢のせいで、ここぞという時の突破力が低かったり、研修医時代の寝ずに3連直などがこなせず、必然的にラクな科にながれてしまう(当初は志が高かったのに)ケースもある。


つまり、いまの学士入学制度は、サヌス氏の理想とした8年制の代用とはならないのだろうなと感じる。


サヌス氏は日本の子供の食生活的な困窮を救うため、給食制度を導入するのに貢献した人でもあり、本当はもう少しサヌス氏について深く知りたいところ。

しかし、サヌス氏についての本は絶版なため、超高価で取引されている。

図書館でさがそうかなと心から思う。